2026.6.25
セブン銀行ATMで進化するnanaco再発行
手間と時間を劇的に削減したグループ連携の舞台裏
#nanaco #ATM #シナジー
2026年1月、nanaco再発行手続きにおける本人確認をセブン銀行ATMで行うことが可能となりました。セブン・カードサービスとセブン銀行の両社で、常日頃から「何か一緒にできないか?」と考えていたなかで実現したサービスへの想いを、セブン銀行 ATM+企画部の小野さん、橋本さん、セブン・カードサービス サービス統括部の木村さん、システム部の諏訪田さんに振り返ってもらいました。
nanaco再発行時の本人確認が、簡単でスピーディーに!
2026年よりnanacoの再発行が劇的に変わりました。
木村:これまで、nanaco カードの再発行や残高引継ぎには、お電話またはWeb での連絡後、対象店舗での再発行手続きや書類郵送など、複数の手続きが必要でした。今回、セブン銀行の「+Connect」(プラスコネクト) 「ATM窓口」サービスを活用し、ATMで本人確認を行うことで、郵送不要・最短3日での残高引継ぎが可能となりました。
従来の再発行には「手間」と「時間」がかかっていました。当社からお送りした書類に必要事項を記入していただき、併せてマイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類のコピーをお送りいただくなど、お客さまに手間をおかけするだけではなく、紛失のお申出があってからお客さまに残高を受け取っていただくまでに約3週間という時間を要し、大変なご不便をおかけしていました。
諏訪田:セブン銀行ATMを活用することによって「手間」と「時間」の課題が解決しました。ご本人様のマイナンバーカードまたは運転免許証を持参し、ATM画面の案内に従って操作するだけで、どなたでも簡単に本人確認の手続きを行うことができます。
ほかにはどんなメリットがありますか?
木村:従来は、nanacoカードをお持ちのお客さまはカードへの再発行しかできませんでした。今回のサービスリリースと同じタイミングで、カードからモバイルへの再発行も可能になりました。モバイルでの再発行を選択された場合、お客さまにとっては再発行手数料が不要というメリットがあります。当社としてもモバイルユーザー獲得推進の大きな一助となっています。
諏訪田:社内においてはもう一つ大きなメリットがあります。これまでお客さまにお送りいただいていた本人確認書類は、人による目視確認を行っていました。現在はシステムによる確認が可能となり、作業にかかる時間を大幅に軽減、コストは4分の1程度に削減されました。さらに、確認作業はパートナー会社に委託をしていましたが、ATMを活用することによりすべての作業をセブン銀行グループ内で完結でき、グループ連携が一層強化されました。
本人確認には、セブン銀行の「+Connect(プラスコネクト)」を活用していると聞きました。
小野:「+Connect(プラスコネクト)」とは、銀行やノンバンク、事業会社、行政など幅広い業界に向けて提供する各種サービスの総称です。簡単に言うと、ATMを使った入出金以外のサービスを指します。具体的には「ATMお知らせ」「ATM窓口」「FACECASH」「ATM口座振替登録」などの9つのサービスがあり、ATMがあらゆる手続き・認証の窓口となることを目的としたものです。
本人確認は9つのサービスのうちの「ATM窓口」で、本人確認や属性入力・属性情報の取得がATM上で可能になるというものです。もともとは口座開設や住所変更でご利用いただくことを目的としてできたサービスですが、電子マネーの再発行手続きにご利用いただくという新しい活用方法として、セブン・カードサービスに導入していただきました。
木村:ちょうど検討の同時期に、全国に置かれているすべてのセブン銀行ATMが+Connect機能付きのものに置き換わりました。すべてのセブン銀行ATMでの手続きが可能となり、とても大きな後押しになりました。
+Connectを活用したサービスの検討は、いつごろから始めたのですか?
木村:数年前に、nanacoの新規発行で活用するという実証実験を行っています。こちらはいくつかの課題がクリアできず正式なリリースには至りませんでした。ただその後も諦めることなく、両社でさまざまなアイデアを持ち寄りながら検討を続けました。そうこうしているうちにATMに新機能が追加され「新規発行は難しくても、再発行でなら活用できるのでは?」という意見で一致しました。実現に向けての詳細を検討し始めたのが2025年1月のことです。
諏訪田:2016年に交付が始まったマイナンバーカードが2024年には78%以上の普及率となり、このことも実現に向けての大きな判断材料となりました。
実証実験の反省と、グループ会社ならではのシナジーで
思い描いたサービスを実現
開発の苦労などはありましたか?
諏訪田:まず、再発行という手続きの全体像を捉えることが大変でした。再発行ってどんなことをする?から始まり、カードからカードの場合や、モバイルにおいてはiPhoneとAndroidの違いなど、状況に応じてのフローを整理する、サービスをしっかりと理解することから始めました。
木村:ATM機能の面でいうと、実証実験のときは本人確認として運転免許証しか使えず、それを画像として読み込むところからスタートしていました。
小野:実証実験のあと、「ATM窓口」リリース前にICチップのデータを自動取得できるようになりました。取得したデータを自動的にファイル連携する機能が備わったのも同じタイミングです。
諏訪田:セブン銀行とのファイル連携のために、当社も新たにネットワークを構築しました。おそらく自動ファイル連携は、両社で初の試みだったと思います。
木村:実証実験の時は、画面に写されているデータを見ながら人の手で入力をするという、大変な作業をしていました。今は、セブン銀行から自動転送される日次データを自動取得し、後続の処理も自動で行われる仕様です。裏での人的作業が不要になりましたので、大きくコストを抑えることができました。
実証実験での反省などは生かされているのでしょうか?
木村:実証実験は、nanacoカードの新規発行を30店舗で行いました。それまでの店頭オペレーションが大きく変わったのですが、各店舗で多くの従業員がいたため、なかなか全員に伝わらない、覚えていただけないという課題がありました。このときにオペレーションの大きな変更におけるハードルの高さを実感し、今回のサービスではできるだけ流れを変えることなく進めていくことにしました。
また、あれもやりたいこれもやりたいと欲張ってしまうと、開発費用に跳ね返ってしまい実現が難しくなることも学びました。たとえば、本来であればnanacoカードのICチップからデータを読み取るのが間違いもなく、お客さまも手間がかからないのですが、これを実現しようとするとかなりの費用がかかってしまいます。そのことでサービスが頓挫してしまうのは本末転倒ですから、割り切れるところは割り切り、+Connect既存機能の範囲内で実現可能なことを最優先で考えました。最終的には特定の番号を発行し入力していただくことで顧客特定をしています。ATMの既存機能で本人確認をしっかりと行いセキュリティとしても問題なく、最小限の開発費用でリリースすることができました。
橋本:木村さんの仰る通り、従来のオペレーションと異なる点をご理解いただくことに苦労した記憶があります。今回リリースしたサービスは、そのような実証実験時の課題を踏まえたことに加えて、セブン・カードサービスからの事務効率化・コスト削減などの熱い想いがあり、実現できたと感じております。
諏訪田:グループ会社間での開発だったこともスムーズにできた大きな要因ですね。+Connectの仕様などを質問するとすぐに回答をいただけましたので、要件定義の確定がとても速かったと思います。
小野:ATMでの連携だけでなく、かなり前から「何か一緒に」とお話をしていました。結果としては今回のサービスが初の協業になり、長年の想いがやっと実ったという感じです。
ご利用件数であらためて実感したお客さまの「できたらいいな」
お客さまの反応はいかがですか?
木村:スムーズにお使いいただいているという印象です。
諏訪田:また、予想以上のご利用件数の多さに驚いています。リリース後すぐは「1日に数件かな」と思っていたのですが、安定して平均50件くらいです。多い日には70件にもなります。サービスとして求められていたということを、数字を見てあらためて実感しました。
木村:今後は本サービスの対象をさらに拡大する予定で、ご利用件数はさらに増加する想定です。
諏訪田:セキュリティ面や、情報入手・発信の容易さといった面から、当社としてはnanacoモバイルへの移行を推奨しています。iPhoneでの対応が5年ほど前だったということもあり、nanacoモバイルでの利用は現段階では全体の2割程度ですが、新規でのお申込みはモバイルがメインとなっています。
木村:今まさに検討中なのが、紛失はしていないけれどもnanacoカードからモバイルに変更したいというお客さまに対し、オペレーターを介さずにWebサイトで受付けし引継番号を払出すという仕組みです。これができるようになればさらにモバイル比率が上がってくると確信しています。
+Connectの可能性を、今後の新たなサービスに!
最後に、新たに考えているサービスなどがありましたら教えてください。
小野:新しいサービスとしてはまだ白紙の状態ですが、セブン銀行としては今回の取組みで「再発行」という新たなメニューのあり方、多くの方にご利用いただけているという事実がわかりました。これをもっと幅広く展開し、セブン銀行グループの取組みだけでなく、他の提携先や企業との取組みにも広げることができればと思っています。
橋本:+Connectサービスとして、キャッシュレス関連企業様との連携やユースケース発掘は発展途上です。セブン・カードサービスはクレジットカード事業・電子マネー事業のいわゆるキャッシュレス関連のサービスを提供しておりますので、セブン銀行グループ間での連携を深めつつ、新たなユースケース発掘や検討を重ねながら幅広く展開できるよう両社で取り組んでまいります。
木村:当社事業の柱のひとつにクレジットカードがあり、nanacoをお使いのお客さまにクレジットカードもご利用していただきたいという想いもあります。今後もATMを活用してクレジットカードに関しても一緒にできたらと考えています。いま検討しているのが、nanacoへチャージした際に出力される明細票に、クレジットカード入会をご案内するQRコードを印字できないかというものです。
そのほかにも+Connectにはいろいろな可能性が秘められていると思っていますので、さまざまなアイテムに関して今後も一緒に考え進めていけたらいいですね。
諏訪田:今回のサービスは密な連携でとてもスムーズにリリースすることができました。グループ会社としての良さを最大限に発揮して、よりすばらしいサービスを生み出すことができたらいいと思います。当社のほうから「こんなことができませんか?」と言えるように、セブン銀行ATMの今後の進化をつねに注視していきたいと思います。