100人超が挑んだ――
「nanacoクレジットカード」誕生までの軌跡
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Innovation
2026.10.23
#nanaco#挑戦#新たな価値
10年以上にわたり親しまれているセブンカード・プラスの新規申込受付が2026年6月30日に終了し、同年8月、新たなクレジットカード「nanacoクレジットカード」がリリースされました。 既存のセブンカード・プラス会員向けサービスは引き続き提供されるなか、 nanacoブランドを冠した新しいクレジットカードは、どのような想いで生まれたのでしょうか。
新たな価値提供への挑戦
nanacoクレジットカード誕生の背景
nanacoクレジットカードが2026年8月26日にリリースされました。カードの概要を教えてください。
勝野:nanacoクレジットカードは、6月30日をもって新規受付を終了したセブンカード・プラスに代わる、新しいクレジットカードです。�@即時発行・即時利用、�A現金リワード、�Bアプリという三つの大きな特長を備えています。
まず特長の一つが、アプリによる即時発行・即時利用です。従来のカードでは、お申込みされてからご利用いただけるまで約1〜2週間を必要としていました。nanacoクレジットカードなら、アプリから必要な情報を入力するだけでお申込みが完了し、審査受付から最短3分※1でクレジットカード番号が発行され、すぐにカードのご利用が可能となります。カードが届くのを待つことなく、お申込みからご利用まで大幅な短縮が実現できました。
もう一つの特長が現金リワードです。1カ月のご利用金額10万円ごとに1,000円をセブン銀行ATMで現金として受取ることができる国内初・業界初※2の特典です。「キャッシュレスの時代になぜ現金?」という声もありますが、お客さまご自身のスタイルで自由にお買い物を楽しんでいただける、縛りのないインセンティブを実現したかったという当社の強い想いがあります。現金リワードは還元率に換算すると1%になります。従来のポイント還元0.5%を加えると合計1.5%の還元率となり、これまでにない新しい価値提供への挑戦となりました。
そして、nanacoクレジットカードの利便性を支えるのがnanacoクレジットカードアプリです。利用明細や残高の確認だけでなく、冒頭でお話しした即時発行を含む、nanacoクレジットカードのすべてがこのアプリで完結する新たな商品設計となっています。
※1. 最短3分発行の受付時間は9:00-19:30。審査状況などにより、即時発行できない場合がある。
※2. セブン・カードサービス調べ。

お客さまとのつながりを深めるために
開発メンバーが目指したもの
nanacoクレジットカードはいつごろから検討されていたのでしょうか?
高木:グループの新たなクレジットカードを作りましょうということで、2023年の終わり頃から検討を始めました。開発中、さまざまな環境の変化があり紆余曲折しましたが、既存のセブンカード・プラスの延長線上ではなく、新しいクレジットカード、新たなサービスとしてお客さまにご提供したいという、プロジェクトメンバー全員の一貫した思いがありました。
また、ネーミングにもこだわり、知名度の高い「nanaco」の名前を冠することで、私たち自身も改めて自社ブランドを意識して取組むことができましたし、お客さまにとっても親近感を持っていただけるカードになったと思います。
セブンカード・プラスと比べて大きく変わった点は?
福原:大きな変化の一つは、nanacoクレジットカードアプリを通じてお客さまとの接点が大きく広がることです。これまではメールやDMでのご案内が中心でしたが、今後はポップアップ機能やプッシュ通知を活用してキャンペーンなどのご案内をすることで、より身近で継続的なコミュニケーションが可能となります。
高木:メールでのご案内は、どうしても開封されずに埋もれてしまうことが少なくありません。アプリなら、明細や残高確認などで定期的に立ち上げていただけるため、自然とお客さまとのタッチポイントが生まれます。また、キャンペーンや各種情報をタイムリーにお届けできるようになり、今回のアプリ導入はお客さまとの新たな接点づくりに向けた大きな一歩になったと感じています。

高橋:お客さまからすると、他社のアプリとそれほど変わらない印象を受けるかと思いますが、作り手の思想としては、お客さま一人ひとりに合わせてお届けする情報を変えるなど、One to Oneコミュニケーションを意識して設計しています。最新のデジタルサービスやツールも積極的に取り入れながら、よりパーソナルな体験を提供できる環境を整えました。
勝野:セブンカード・プラスの新規申込受付は終了しましたが、nanacoクレジットカードアプリは既にセブンカード・プラスをご利用いただいているお客さまにもお使いいただけるよう設計されています。アプリをご登録いただければ、セブンカード・プラス会員の方にも、現金リワードをはじめとしたnanacoクレジットカードと同様のサービスをご利用いただけます。nanacoクレジットカードは全く新しいカードである一方で、セブンカード・プラスをご利用いただいているお客さまにも新たな価値をお届けする進化形だと考えています。
他にも大きなチャレンジがあったと聞きました。
勝野:はい。これまで外部に委託していた与信審査を自社で行う仕組みを構築しました。クレジットカード事業ではこの部分が非常に重要な領域となりますが、今回このステップを自社で担うことは、大きな決断であり挑戦でもありました。これは先ほどお話しした「即時発行・即時利用」を実現するためにも大きな役割を担っています。与信の内製化により、nanacoクレジットカードをより多くのお客さまにお持ちいただくための土台を築くことができました。
紆余曲折を乗り越えて…
それぞれの立場で向き合った3年半
開発期間が長かった分、ご苦労も多かったと思います。
勝野:高木さんの話にもありましたが、このプロジェクトは2023年にスタートし、大きな環境の変化を幾度となく経験しています。立ち上げ当初から参画していたメンバーもいれば、途中から加わったメンバーもいます。だからこそ、全員がそれぞれ異なる立場でプロジェクトと向き合ってきました。
私が一番大変だったと感じるのは、リリースに向けて会社全体の士気を上げていくことでした。単に新しいカードを作るだけではなく、全社員が一丸となって「このカードを成功させよう!」という想いを共有し、その輪を広げていく必要がありました。
どのようにして士気を上げられたのでしょうか?
勝野:大切にしたのは、一人ひとりに自分事として捉えてもらうことです。そのために、プロジェクトメンバーが各部に対して説明会を実施し、カードの特性や目指す姿を共有してきました。説明を重ねるなかで「もっとこういうことができると良いよね」などという意見が出るようになり、少しずつカードへの関心や期待感が社内に広がっていくのを感じました。
高木:私が一番大変だったと感じているのは、さまざまなアイデアや考えを一つの方向にまとめていくことです。nanacoクレジットカードは、これまでとは異なる新しいカードを目指していたため、まさにゼロからの挑戦でした。立ち上げ当初はセブン銀行のメンバーも含めて約15名でスタートし、さまざまな視点から議論を重ねましたが、還元率一つをとっても意見が分かれ、なかなか結論に辿り着きませんでした。議論が白熱し、時には重い空気になることもありましたが、正直やっとリリースまでこぎ着けたというのが実感です…。それでも「より良いカードを作りたい」という共通の想いがあったからこそ、最後まで議論を重ねることができたのだと思います。
高橋:券面のデザインやカラーリングなどもそれぞれ考え方や好みがありますから、いろいろな意見が出ましたよね(笑)。新しい商品やサービスは、リリースして初めてその価値が評価されます。だからこそ、「何がお客さまにとって最適か」を最後まで問い続けながら進めていました。

高木:紆余曲折、大変な思いをしましたが、次に何か新しいサービスを始めるときには、今回の経験が生きてくるのではないかと思っています。採用されなかったアイデアについても、今後何かのかたちで役立つのではないかと期待しています。
高橋:もう一つ私が大変だったと感じたのは、セブンカード・プラスやnanacoといった既存のサービスを維持しながら、新しいサービスを並行して作り上げていくことでした。プロジェクトが進むにつれ次々と新たな課題が見つかり、「これも必要だった」「ここも検討しなければならなかった」と対応に追われる日々でしたが、それも新しいサービスを生み出す難しさだったように感じます。
事務局としてプロジェクト後半から参加された福原さんには、別の苦労があったのではないですか?
福原:私は、これほど大きなプロジェクトに携わるのは初めてでした。さらに100名を超える大規模プロジェクトを円滑に進めるための事務局という役割に、当初は戸惑いもありました。このプロジェクトは、アプリやシステム構築、マーケティングなどさまざまなワーキンググループに加え、多くのベンダーやパートナー企業の皆さまにもご参画いただいていました。立場や役割の異なる多くの関係者と認識を合わせながら進めていくことの難しさを痛感しました。
また、皆さんがお話されているとおり、新たな課題や検討事項も次から次へと発生しました。より良いカードを作りたいという想いは全員に共通していましたが、そこにはそれぞれ異なる事情や考えがあります。まずは相手の立場や考えを理解することを大切にしながら、コミュニケーションの橋渡し役となれるよう、調整を重ねてきました。多くの方々と協力しながら課題を一つひとつ乗り越えていけたことは、私にとって非常に印象深い経験です。
実は、人前で話すことが得意ではなかったのですが、今ではプロジェクトに関する多くの会議でファシリテーターを務めています。苦労が多かったプロジェクトですが、自分自身の成長につながったことにとても感謝しています。

高木:福原さんのお話で100名というワードが出てきましたが、その人数を実感したのがプロジェクトの懇親会でした。回を重ねるごとに参加者が増え、直近では100人近くが参加していました。
社内メンバーのみならず、ベンダーやパートナー企業の皆さまにも多数ご参加いただき、仕事以外の話も含めて交流することで、お互いを理解し合う貴重な機会になりました。
勝野:今日の座談会のメンバーにはいませんが、与信審査のメンバーの苦労も相当なものだったと認識しています。これまで外部に委託していた領域を自分たちで担うことになり、すべてが手探りの状態でした。長い時間をかけて積み上げてきたものが正しかったかどうかは、これからのお客さまの評価によって示されることになります。与信審査メンバーだけでなく、このプロジェクトに関わったすべての人の努力が実を結ぶ結果となることを祈るばかりです。
nanacoクレジットカードで、お客さまの暮らしに笑顔をひろげたい
最後に、nanacoクレジットカードへの期待と今後の展望をお聞かせください。
高橋:今回はnanacoクレジットカードアプリもリリースされましたので、これまで以上に若い世代のお客さまにもご利用いただけたらうれしいですね。アプリ自体はとてもシンプルな設計になっていますが、お客さまの反応やご意見を踏まえながら、さらに使いやすく、より便利なアプリへと進化させていきたいと考えています。
福原:お客さまにとって身近なクレジットカードとして親しんでいただける存在になってほしいと思っています。プロジェクトとしてはリリースという大きな節目を迎えることができましたが、リリースがゴールではなく、新たなスタートだと考えています。一番大切なのは、お客さまに安心して長くご利用いただき、日々の暮らしの中で便利さやお得さを実感していただくことです。今後も関係者の皆さまと力を合わせながら、お客さまにより良いサービスをお届けできるよう取り組んでいきたいと思います。
高木:今回の目玉である即時発行や現金リワードなど、SNSをはじめ多くの反響が生まれることを期待しています!また、単に機能を提供するだけでなく、ついアプリを開きたくなるような仕掛けや、日々の生活の中で楽しみながら使っていただけるサービスを実現し、アプリを通じてお客さまとの接点をさらに広げていきたいですね。
勝野:nanacoクレジットカードはやっとスタートラインに立つことができました。皆さんが話していたように、このカードには伸びしろしかありません。お客さまの声に真摯に耳を傾け、それを次のサービスにつなげながら、さらに価値あるカードへと成長させていきたいです。当社には「新しいうれしいを見つけ、暮らしの中に笑顔をひろげる」というパーパスがあります。良いものは受入れられ、必ず広がっていきます。nanacoクレジットカードもその一つとして、多くのお客さまに支持される存在になってくれたら本当にうれしいですね。


